よくある誤読
国会の活動データは、制度と慣行の背景を知らずに読むと誤解しやすい数字です。 このページでは代表的な読み間違いに、本サイトの実データと制度上の根拠で答えます。 良し悪しの評価はしません。
「法案提出0件」はサボり?
いいえ、提出数だけでは判断できません。
- 与党の政策の多くは、議員が自分でつくる法案(議員立法)ではなく内閣が提出する法律案(閣法)として国会に出ます。 第221回国会に提出された法律案は内閣提出64件に対し、衆議院議員の提出は38件でした (法案一覧の実数)。 与党議員の立法活動は個人の提出数には現れにくい構造です。
- 議員立法の提出には賛成者の人数要件があります(衆議院20人以上・参議院10人以上、 予算を伴う法案は衆議院50人以上・参議院20人以上。国会法56条)。少数会派や無所属の議員は、 制度上そもそも単独では提出できません。
- 大臣・委員長などの役職に就いている議員は、質問・提出をする側ではなく答弁・議事整理をする側に回ります。 現在の役職は各議員ページに表示しています。
- 本サイトが数えているのは国会に記録が残る活動だけです。地元での活動や党務は含まれません。
議員立法0件・質問主意書0本の議員は働いていない?
いいえ。与党議員の議員立法・質問主意書は、制度と慣行の上でほとんど0件になります。
- 与党の法案づくりは党内の審査(記録非公開)を経て政府案として出るため、議員が個人名で提出する例はまれです。 与党議員は省庁に直接確認できる立場のため、質問主意書も慣行としてほとんど使われません。
- 発言回数では大臣の答弁・委員長の議事整理を除いているため、役職を担当する場では質疑側に立たない委員長や大臣は少なく出ます(役職としての発言回数は議員ページに併記しています)。
- 本サイトは順位や総合点を作っていません。同じ立場(与野党側×当選回数帯)の平均から際立って多い活動があるときだけ、議員ページに一文で添えています。
なぜ野党の発言が多いのか
質疑の機会配分が議席比例ではないためです。
- 実データでは、衆議院の自民は議席の68.0%を占める一方、 質疑に立った時間(審議中継の実時間・第221回国会)は各会派合計の12.1%です (会派のはたらきの質疑時間バー参照)。 委員会の質疑時間が野党側に厚く配分される運用であることが、データから読み取れます。
- 発言回数は大臣の答弁と委員長の議事整理発言を除いた質疑・討論などの回数です。 大臣・委員長の役職としての発言量は、この数字には現れません。
- 質問主意書は、議員が内閣に文書で質問し閣議決定を経た答弁書を受け取れる制度です(国会法74条・75条)。 本会議・委員会の質疑時間とは別枠の仕組みで、実データでは主に野党会派の議員が使っています (議員一覧の質問主意書列参照)。
- これらは制度と慣行の帰結であり、発言回数の多寡がそのまま「働き」の多寡を意味するわけではありません。
このページの数値は本サイトのデータ(衆議院・参議院公式サイト由来)から自動計算されており、データ更新に追随します。 条文の参照: 国会法56条(発議の賛成者要件)・74条/75条(質問主意書)。 海外議会との比較は、出典を確認できたものから順次追加します。